産後の骨盤矯正について

先日産後の骨盤矯正の患者さんが来院されました。色々と施術中にお話しをさせて頂いて

「出産は本当に命掛けの大仕事なんだな」ということを改めて感じました。

ここ数年でテレビや雑誌などでよく聞かれるようになった産後の骨盤矯正ですが、今回は産後の骨盤矯正についてお話ししていきたいと思います。

目次

テレビや雑誌、実際の患者さんにお話しを聞くと

  • 出産前より肩こり、腰痛が酷くなった
  • ぽっこりお腹が気になる
  • 便秘・尿漏れ
  • 出産前に履けてたズボンが履けなくなった
  • 股関節・恥骨・膝が痛い
  • 疲れやすくなった

などの回答が多く挙げられます。ではなぜ、出産後にこのような症状が現れるでしょうか?

骨盤の変化

妊娠した女性の骨盤は、出産をスムーズにおこなうために、リラキシンと言う女性ホルモンが活発になり、関節を緩めます。恥骨結合は離開し、仙骨は下がり、靭帯が緩み、赤ちゃんが通りやすい様になります、一般的に産後の骨盤というと開いているだけのというイメージですが、実際には前後左右、捻りと歪んでいきます。

子宮・骨格の変化

胸とお腹の境目付近に横隔膜という胸腔と腹腔を分ける薄いドーム状の筋肉があります。
妊娠経過に伴い増大する子宮により横隔膜は上方に約4センチ押し上げられます。
横隔膜は呼吸時にとても重要な筋肉ですので、
子宮から圧迫を受けることにより肺気量が減少してしまいます。
そして胸部の横幅は約2センチ拡張、胸囲は約6センチ増加します。

骨盤周囲の筋肉の変化

腹直筋

腹筋を鍛えている方が6つに割れている筋肉を腹直筋と言います。
妊娠末期になりお腹が大きくなってくると、子宮に圧迫され腹直筋の真ん中が離れ始め離開してしまいます。
これを腹直筋離開と言います。

出産後、左右に離れた筋は少しずつ近づいてきますが、筋力の弱い方や間違った産後のトレーニングをしてしまった方などは、左右に離れてしまったままの状態で元に戻らないこともあります。
左右が離れた状態のままで固定してしまうと、産後に体型が崩れる原因の一つになってしまいます。

腹横筋

腹横筋とはお腹の深層にあるインナーマッスルでコルセットのようにお腹全体を覆っています。
内臓の位置を安定させ、お腹周りをスッキリさせるとても重要な役割があります。

そして、コルセット筋とも言われており体幹を固定する役割がありますので、この筋肉を鍛えることは腰痛改善の

キーポイントになると言えます。

妊娠時の腹横筋は子宮の増大につれて引き伸ばされて薄くペラペラの状態になっています。
そして出産後の腹横筋は膨らました風船が急に空気が抜けてしぼんでしまったような状態になっています。
ですから、通常時の腹横筋の機能を果たせるはずは無く、産後の様々なトラブル(体型の崩れ・腰痛・恥骨痛・股関節痛など)の原因の引き金になってしまいます。

骨盤底筋群

骨盤底筋群とは骨盤内臓器(膀胱・子宮・直腸など)を骨盤の底からハンモックの様に支えている筋肉です。
妊娠中はさらに胎児、増大した子宮、胎盤、羊水の重さも加わって骨盤底筋群にかかる負担は激増します。
それらの重さにより引き伸ばされた骨盤底筋群は産後すぐに妊娠前のような状態には戻りません。
この筋肉の機能低下が起きると、産後の尿漏れや頻尿、痔、子宮脱の原因になってしまいます。

今回は産後骨盤矯正がなぜ注目されたかについてと身体の変化についてお話させていただきました。

これがすべてではないのですが、基本的な事をまとめました。今回この記事を書いてて改めて出産は身体だけでなく

精神的にもとても大変な事だと再認識しました。自分の身体だけを心配するのでなく、生まれてくる子供のためにも

気を掛けて生活していかないといけないので、一人一人が妊婦さんに対しての心配りが必要だと思える世の中になればいいなと思いました。

次回は産後骨盤をやることで身体にどんな変化があるのかをお伝えしていきたいと思いますので、次回の記事もお楽しみにしていただければと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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